Visual Studio Code(VS Code)とAnacondaを使って、Pythonの開発環境を構築する方法について説明します。
Anacondaで仮想環境の管理をしつつ、VS Codeを使うことができるので、快適にPythonを使うことができるようになります。
以前はAnacondaのパスを調べたり設定が煩雑でしたが、VS Codeのアップデートによって設定がお手軽になりました!
アップデート後のお手軽な設定方法について、詳しくわかりやすく解説していきます。
- Visual Studio CodeとAnacondaのインストール
- Anaconda仮想環境の構築
- VS CodeにPython Extensionsをインストール
- VS CodeでAnaconda環境を設定
- VS CodeのターミナルでActiveな環境について
Visual Studio CodeとAnacondaのインストール
まずはそれぞれのソフトウェアを公式サイトからインストールしましょう。
- Visual Studio Code
- Anaconda
インストールが完了したら、Anaconda、VS Codeの順番で設定を進めていきましょう。
Anaconda仮想環境の構築
先にAnacondaの仮想環境を構築しておきます。
まず、Anaconda Powershell Promptを起動して、必要な仮想環境を作ります。
conda create --name 環境名 <ライブラリ名>
ライブラリ名を指定すると、仮想環境構築と同時にライブラリも準備できます。
例として、kivyという仮想環境を作ってみます。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/Y/YutaKa/20240921/20240921083457.png
構築されている仮想環境を確認するには、次のコマンドを打ちます。
conda info --env
実行例は次の通りです。無事に環境が準備されています。
これで仮想環境の準備は完了です。
Anaconda Navigaterでも仮想環境は作成できますが、慣れてくるとPromptの方が作業が早くなります。
VS CodeにPython Extensionsをインストール
続いてVS Codeを起動して、VS Codeの設定を行います。
VS CodeのPython環境を整えるために、Python Extensionをインストールします。
初期設定画面の「Rich support for all your languages」またはサイドバーの「Extensions」から、Python Extensionsをインストールしましょう。
Python Extensionsをインストールと、次のような機能が使用できます。
機能 | 説明 |
---|---|
コード補完とシンタックスハイライト | 自動補完やシンタックスハイライトにより、Pythonコードの読み書きが容易になる |
Lintingとエラーチェック | Pylanceなどのツールでコードの問題点をリアルタイムで検出する |
デバッガの統合 | ブレークポイントやステップ実行などでデバッグが可能 |
Jupyterノートブックのサポート | VSCode内でJupyterノートブックを実行し、データ分析ができる |
コードフォーマッタ | blackやautopep8でコードを自動整形し、PEP 8に準拠したフォーマットにする |
仮想環境やPythonインタープリタの管理 | 仮想環境やPythonインタープリタを簡単に切り替え可能 |
ターミナルの統合 | VSCode内のターミナルでスクリプトの実行やパッケージ管理ができる |
VS Codeで快適にPythonを実行するために必要な機能がひとまとまりになっているExtensionですね。
VS CodeでAnaconda環境を設定
以前はAnacondaのパスを事前に調べるなど手間がかかりましたが、最新のVS Codeを使用すれば簡単に設定できます。
具体的には、VS Codeで使用するPython Interpreterとして、使用したいAnaconda環境の中にあるpython.exeを選択すればOKです。
次のいずれかの方法で、Python Interpreterを指定しましょう。
- Command PaletteからPython Interpreterを指定
- Status barからPython Interpreterを指定
それぞれ詳しく解説していきます。
Command PaletteからPython Interpreter指定
Command PaletteはWindow上部のCommand Centerから使用できます。
- Command Paletteを起動(
Ctrl + Shift + P
) Python: Select Interpreter
と入力- リストの中から使用する仮想環境内のPythonを選択
下図のようにPython interpreterのリストが表示されるので、ここから選択しましょう。
Status bar からPython Interpreter指定
適当なPythonファイルを開けば、Status barからInterpreterを指定することもできます。
- Pythonファイルを開く
- Status bar右下のPythonバージョン部分をクリック
- Interprterを選択
下図のようにPythonのバージョンが表示されている部分をクリックすると、Interpreterを選択できるようになります。
とても簡単にAnacondaの仮想環境が選択できましたね。
次回以降VS Codeを起動すると、選択済みの仮想環境が自動で有効になります。
選択した仮想環境の確認
Status barを確認すると、選択済みの仮想環境名が表示されています。
VS CodeのターミナルでActiveな環境について
VS Code内でターミナルを起動すると、使用中の仮想環境がActivateされた状態になっています。
Ctrl + @
でターミナルを起動すると、次のようなNotificationが出ます。
この説明通り、仮想環境名は表示されていませんが仮想環境がActicateされた状態になっています。
そのため、conda install <ライブラリ名>
などで、ライブラリをインストールすると、使用中の仮想環境にインストールされることになります。
powershellにマウスを合わせてもアクティブな仮想環境が確認できます。
普段からAnaconda Powershell promptを使用している人にとっては、環境名が表示されていないことに違和感があると思いますが、実際にActiveになっているので安心して使いましょう。