このブログシリーズ(Raspberry Pi)では、筆者のRaspberry Pi導入の取り組みをまとめて、記事毎に重要な点を紹介していきます。
この記事では、Raspberry Pi Connectを使用してRaspberry Piにアクセスする方法を解説していきます。
Raspberry Pi Connectを使うと、物理的にRaspberry Piにアクセスすることなく、ブラウザ経由で世界中どこからでもRaspberry Piにアクセスできるようになります。
Raspberry Pi Connectとは?
Raspberry Pi Connectは、遠隔でRaspberry Piにアクセスするためのツールです。
Raspberry Piのサイトにて、現在(2024年9月)ベータ版の公開がアナウンスされています。
主な機能は次の通りです。
機能 | 説明 |
---|---|
リモート接続 | Raspberry Pi Connectを使用してインターネット経由で接続し、コマンド実行、システム監視が可能 |
セキュリティ | ユーザー認証やデータ暗号化を備え、セキュリティを重視した設計で安全なリモート操作が可能 |
GUIサポート | 直接Raspberry Piのデスクトップに接続してGUIで操作できるので、コマンドになれていない人で操作が簡単 |
シェルサポート | シェルコマンドでの操作も可能なので、GUIを経由せず軽快に操作することも可能 |
遠隔でRaspberry Piデバイスを制御することができるので、遠隔操作の必要がある人にとっては非常に便利なサービスです。例えば、遠隔での教育プログラムや、IoTデバイス管理やサーバー運用などの場面で活躍できそうです。
Raspberry Pi Connectの使用手順
使用手順は次の通りです。
- Raspberry Piのセットアップ
- Raspberry Pi Connectのインストール
- Raspberry Piアカウントの作成
- デバイスの接続
一つずつ手順を見ていきましょう。
Raspberry Piのセットアップ
Raspberry Pi側の基本的な準備として、以下の準備をしておきます。
OSのインストール:Raspberry Pi OSをインストールし、基本設定を行っておきます。
インターネット接続:Wi-FiやLANケーブルでRaspberry Piをインターネットに接続しておきます。
普通に運用していれば、このあたりの設定は既に済んでいるかと思います。
Raspberry Pi Connectのインストール
Raspberry Pi側の特別な設定として、rpi-connect
をインストールする必要があります。
まずターミナルで以下のコマンドを実行してアップデートを行います。
sudo apt update sudo apt full-upgrade
次にrpi-connect
をインストールしましょう。
sudo apt install rpi-connect
インストールが完了したら再起動しましょう。
タスクバー右側にRaspberry Pi Connectのアイコンが表示されるようになります。
Raspberry Piアカウントでログインしていない状態だと、灰色になっています。
続いてRaspberry Piアカウントを作成しましょう。
Raspberry Piアカウントの作成
Raspberry Pi Connectを使用するためには、Raspberry Piアカウントの作成が必要です。
以下のリンクからアカウントを作成しましょう。
新規アカウント作成(create one for free)に進むと以下の画面になります。
メールアドレス等を入力してアカウントを作成しましょう。
デバイスの接続
Raspberry Pi側でRaspberry Pi Connectに接続します。
次の手順でRaspberry Piアカウントにログインします。
- タスクバーのRaspberry Pi Connenctのアイコンをクリック
- ブラウザが起動するので、アカウント名、パスワードを入力してログイン
- デバイス名を登録
次の画面のようにデバイス名の入力が求められます。
複数のRaspberry PiをConnectに登録した場合に、各Raspberry Piを区別できるようにデバイス名を登録しておきましょう。
デバイス名を登録すると、次のように設定完了画面が表示されます。
デバイスの接続
デバイスの登録が完了したら、接続元のPCブラウザから接続することができるようになります。
以下のアドレスにアクセスして、デバイスを選択しましょう。
Connect via
をクリックすると、2つの選択肢が表示されます。
- Screen sharing:GUI(デスクトップ)に接続
- Remote shell:シェルコマンドのプロンプトに接続
Screen sharingの場合
Screen sharingを選択すると、しばらく待った後、次の画面のように接続がされます。
接続中はタスクバーのRaspberry Pi Connectのアイコンが紫色になるようです。
GUIでの操作が可能なので、マウスおよびキーボードの設定が可能です。
ラグは若干あるので、快適とまではいかないですが、基本的な作業をするには十分だと思います。
Remote shellの場合
Remote shellを選択すると、しばらく待った後、次の画面のように接続がされます。
体感ではほとんどラグは感じず、かなり快適に操作できそうです。
Raspberry Pi のおススメ入門書
ここまでRaspberry Pi Connectの使い方について私の経験をもとに紹介してきました。
2024年9月現在ではベータ版ですが、設定も簡単で操作感も比較的良い感じだと思いました。
Raspberry Piの基本について学びたい人には、次の本がおススメです。
こちらの入門書は初心者にもわかりやすいように、Raspberry Pi 5の導入から簡単な実行例まで解説してくれています。
さらにRaspberry Pi操作に必要なLinuxの基本操作から、サーバー構築やScratch3、Python3によるプログラム作成まで網羅しています。
電子部品の制御や応用例も豊富に解説されていて、実践的な知識を身につけられます。
これ1冊でRaspberry Piの入門は十分にできると思います。