Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、教育目的で開発された小型のシングルボードコンピュータです。
低価格で購入でき、手のひらサイズでありながら、通常のパソコンのように動作します。
このブログシリーズ(Raspberry Pi)では、筆者のRaspberry Pi導入の取り組みをまとめて、記事毎に重要な点を紹介していきます。
この記事は「ラズベリーパイの初期導入における本体および周辺機器購入」についてまとめています。
Raspberry Piの用途と特徴
まず初めにRaspberry Piの用途と特徴について整理してみましょう。 Raspberry Piは次のような用途で使用されています。
- プログラミング学習
- 電子工作
- ロボット制御
- メディアサーバー
- ホームオートメーションなど
Raspberry Piは、主に次のような特徴があります:
特徴 | 説明 |
---|---|
低価格 | 基本的なモデルは非常に安価で、教育やホビー用途に適している。 |
コンパクト | 手のひらサイズで、省スペースで使用できる。 |
拡張性 | GPIOピンを利用してセンサーやモーターなどの外部デバイスを接続できる。 |
オープンソース | LinuxベースのOSが使用され、多くのオープンソースソフトウェアが利用可能。 |
こういった特徴から、初めてのプログラミングや電子工作に挑戦する際に、Raspberry Piはとても人気のあるデバイスです。
Raspberry Piのバージョンについて
2024年9月現在、日本で手に入る最新版はRaspberry Pi 5です。
これから電子工作などを始めたいと思っているのであれば、導入としてはその時点の最新版を購入して良いと思います。 (Raspberry Pi5と、一つ前のRaspberry Pi 4では価格もそれほど違いません)
● Raspberry Pi 5
● Raspberry Pi 4
5と4の大きな違いとしては、5からI/Oコントローラ「RP1」という技術が導入され、I/Oのアクセス速度が向上したという点があります。
ただ、これからRaspberry Piを始めようという方が、現時点でこの機能を理解できていることはないと思います。
とりあえず、最新版で初めて見ようという感覚で良いと思います。
Raspberry Pi 5にはメモリ別に4GB版と8GB版があります。
どの程度メモリが必要か予測するのも現時点では難しいので、8GBからスタートしてもいいでしょう。
必要な周辺機器
主に次のような周辺機器が必要となります。
カテゴリ | 説明 |
---|---|
電源 | ACアダプターと電源ケーブルが必要(5V5Aのもの) |
Raspberry Piのケース | 公式ケースであれば冷却機能付き |
マウス | 有線(USB Type A) |
キーボード | 有線(USB Type A) |
micro SDカード | 16GB以上(UHS-I) |
micro HDMIケーブル | モニタに接続するために必要 |
細々したところですが、このあたりを揃えればRaspberry Piを使い始めるには十分だと思います。
それぞれの項目について簡単に説明していきます。
電源
初期導入の際に最も頭を悩ませたのが電源です。
初めて電子工作をしようとしている人にとっては、電圧や電流はなかなか理解しにくいものです。
特にRaspberry Pi 5の場合、性能をフルに引き出すには5V5Aの電源が必要なのですが…なかなか手に入りません。
これは正規代理店で購入するのが手っ取り早いと思います。
ここで注意して頂きたいのが、(2024年現在)正規代理店でRaspberry Pi5のスターターキットを販売して下さっているのですが、電源ケーブルが5V3Aになっています。
スターターキット内の電源ケーブルでは、Raspberry Pi5の性能を完全に引き出すのは難しいので、個別で買った方が良いと思います。
Raspberry Piのケース
Raspberry Piは基盤がむき出しで、破損の恐れなどがあるので本体と併せてケースを買ってしまった方が良いです。
ケースを購入する際には、公式のケースがおすすめです。
というのも公式ケースには冷却機能が備え付けられているため、後負荷で運用する際に本体を冷却することも可能です。
マウス・キーボード
普段ワイヤレスマウス、キーボードを使用している人は有線のマウス、キーボードを準備する必要があります。
Raspberry Pi5は、Bluetooth対応なのでワイヤレスマウス、キーボードも接続可能です。
しかし、そのBluetoothの接続設定をするために有線のマウス、キーボードが必要なのです…。
初期設定のみで使う場合は、Amazonなどで安いものをかいましょう。
例えば、次のような製品が安くて候補となるかと思います。ブログ執筆時点では、両方とも1,000円以下でした。
● キーボードのおすすめ
● マウスのおすすめ
micro SDカード
Raspberry Pi 5からはUHS-I SDR104に対応しています。
micro SDカード自体も同様の企画に対応しているものを準備することでデータ転送速度を十分に引き出すことができます。
とは言え、これからRaspberry Piを始めようという段階で、SDカードの規格まで考えるというのは酷な話です。
そこで、チェックすべき項目の要点だけ整理してみます。
項目 | 説明 |
---|---|
容量 | 最低18GB以上は欲しいです。ただ、64GBまでは値段がそれほど大きく変わらない |
UHS-I | 最大転送速度にかかわる規格。UHS-Iを選べばOK |
UHSスピードクラス | データ書き込みの最低保証速度。1と3がある。価格が近ければ3を選びたい。 |
保証期間 | micro SDカードは消耗品。できれば無期限保証品を選びたい。 |
これらを鑑みて、最初に購入するベストエフォートなmicro SDカードとして次のものを選びました。
有名ブランドSanDiskのExtreemシリーズ64GBです。
UHS-I、UHSスピードクラス3、保証期間無期限という好条件にもかかわらず、2000円を切る良心的な価格でした(2024年9月現在)。
micro HDMIケーブル
Raspberry Piの映像出力端子は、micro HDMIとなっています。
そのため、モニタと接続する際には、micro HDMI ↔ HDMIのケーブルが必要になります。
既存のHDMIケーブルの片方をmicro HDMIに変換する場合は、変換アダプタを購入しましょう。
Raspberry Pi 専用にケーブルを購入する場合はmicro HDMI ↔ HDMIのケーブルのケーブルを準備してもOKですね。
Amazonでケーブル関連を探すと、怪しい製品がたくさん出てきます。
基本的には有名なメーカーや国内メーカーのものを選ぶようにしています。
合計金額例
私の場合の初期セットアップ費用は、次の表のとおりです(値段は購入時点の価格)。
アイテム | 値段, 円 |
---|---|
Raspberry Pi 5 /8GB | ¥14,960 |
Piケース 公式 for 5B 赤/白 | ¥1,870 |
USB電源アダプター 5V/5A Type C 1.2m | ¥2,420 |
microSD 64GB SanDisk Extreme | ¥1,899 |
AINEX HDMI変換アダプタ | ¥478 |
BUFFALO キーボード BSKBU14WH | ¥775 |
合計 | ¥22,402 |
合計約2.2万円ですみました。本体代が1.5万円なので、ほぼ本体代ですね。
有線マウスは自宅に既にあったものを使用しています。
HDMIケーブルも変換アダプタのみを買うことにしました。
Raspberry Pi のおススメ入門書
ここまでRaspberry Pi 5本体および周辺機器の購入に関して、私の経験をもとに紹介してきました。
さらに詳しく学んでRaspberry Piに取り組みたいという方には、次の本がおススメです。
こちらの入門書は初心者にもわかりやすいように、Raspberry Pi 5の導入から簡単な実行例まで解説してくれています。
さらにRaspberry Pi操作に必要なLinuxの基本操作から、サーバー構築やScratch3、Python3によるプログラム作成まで網羅しています。
電子部品の制御や応用例も豊富に解説されていて、実践的な知識を身につけられます。
これ1冊でRaspberry Piの入門は十分にできると思います。