このブログシリーズ(Raspberry Pi)では、筆者のRaspberry Pi導入の取り組みをまとめて、記事毎に重要な点を紹介していきます。
この記事では、Raspberry PiにAnaconda環境を構築する方法を解説していきます。
Anacondaで環境構築すると、Pythonのライブラリを効率的かつ簡単に管理できるようになります。
Condaとは?
Condaは、Pythonのライブラリ管理や仮想環境の構築に広く使われているツールです。
Condaを使用すると、主に次のようなことができます。
- ライブラリ同士のバージョン管理、依存関係の管理
- 異なるプロジェクト用に複数の仮想環境を管理
Condaを利用する場合、GUI形式のAnaconda、CUI形式のminicondaが主な選択肢です。
それぞれの特徴は以下の表のとおりです。
方法 | インターフェース | Pros(利点) | Cons(欠点) |
---|---|---|---|
Anaconda | GUI | すぐに使える豊富なパッケージが含まれている - パッケージや環境の管理がGUIで簡単にできる - 初心者にやさしいインターフェース |
- インストールサイズが大きく、ストレージ容量を多く消費する - 不要なパッケージも一緒にインストールされることがある - リソースの消費が多め |
Miniconda | CUI | - 必要なパッケージだけをインストールできるので軽量 - カスタマイズ性が高い - デバイスのリソースを最適に使える - ストレージを節約できる |
- GUIがないため、コマンド操作に慣れていないユーザーには難しい - 必要なパッケージを手動でインストールする必要がある - 初期設定に少し時間がかかる |
GUI形式のAnacondaはRaspberry Pi 5には重すぎるので、CUIで操作できるMinicondaをインストールする方法を紹介します。
Minicondaのインストール方法
Raspberry Pi 4までは、Minicondaが使用できず、Miniforgeというさらに軽量なソフトウェアをインストールする必要があったそうです。
しかし、Raspberry Pi 5にてMinicondaのインストールを試してみたところ、無事インストールできたので、その方法を紹介します。
Raspberry Pi 5内で次の手順を踏みます。
- インストーラのダウンロード
- インストールの実行
- インストール状況の確認
特に難しいことはなく、それぞれターミナルでコマンドを打てばOKです。
インストーラのダウンロード
インストーラはAnaconda公式サイトにて配布されています。
次のコマンドラインでダウンロードフォルダを作成して、ダウンロードしましょう。
sh
mkdir -p ~/miniconda3
wget https://repo.anaconda.com/miniconda/Miniconda3-latest-Linux-aarch64.sh -O ~/miniconda3/miniconda.sh
次のようにインストーラが入手できます。
インストールの実行
次に入手したインストーラを使用して、Minicondaをインストールします。
bash ~/miniconda3/miniconda.sh
ライセンス確認画面が出るのでEnter
を押して読んでいきます。
読み終わったらq
を入力して、ライセンス画面を閉じ、同意できる場合はyes
を入力します。
次にインストール場所を選択します。デフォルトで良ければEnter
を押します。
続いて、ターミナル起動時にCondaをActivateするか聞かれます。
yes
と入力すれば、次回の起動後すぐにconda
コマンドが使えます。
以上でインストール完了です。
インストール状況の確認
ターミナルを再起動すると、conda
が使用可能になっています。
ユーザー名の左側に(base)
と表示されていて、現在ActiveなConda環境が表示されるようになっていますね。
あとは必要に応じて、仮想環境の作成等を行いましょう。
Raspberry Pi のおススメ入門書
今回はRaspberry Pi 5にConda環境を準備する方法について私の経験をもとに紹介してきました。
Raspberry Piそのものについて詳しく学びたいという方には、次の本がおススメです。
こちらの入門書は初心者にもわかりやすいように、Raspberry Pi 5の導入から簡単な実行例まで解説してくれています。
さらにRaspberry Pi操作に必要なLinuxの基本操作から、サーバー構築やScratch3、Python3によるプログラム作成まで網羅しています。
電子部品の制御や応用例も豊富に解説されていて、実践的な知識を身につけられます。
これ1冊でRaspberry Piの入門は十分にできると思います。"